会社に長く勤めていたり一定の成果を出していたりすると必ず「昇進」の話が出てきます。
公務員なら年功序列ですが、民間企業なら成果優先で後から入職した人が上司になることもあります。
会社によって役職名は違うと思いますが、役職の中で一番苦しむものは「中間管理職」ではないでしょうか。
私は「中間管理職」です。
子育てをしながらの中間管理職はなかなかハードです。
これから中間管理職になるであろう方に向けてその選択に後悔が生まれないように私の思いを記載します。
もちろん、中間管理職自体を否定する記事ではありませんのであしからず。
中間管理職とは
管理職(労働場面において労働者を指揮・監督して組織の運営にあたる者)の中でも自分より更に上位の管理職の指揮下に配属されている管理職のことを言います。
若干わかりにくですね。
私の会社であれば専務と常務の指揮下にいる部長と管理課長、事務長が中間管理職にあたります。
もっと分かりやすく言います。
管理職と中間管理職の違いは、
・労働時間や休日の定めがない者が管理職
・年俸制なのが管理職
ですので極端な話、管理職は始業時刻に会社にいなくても問題ありません。
体調不良で休んでも有給休暇を使う必要がありません。
そもそも有給休暇はありません。(厳密に言えばありますが、使う必要がないということです。)
そもそも出勤日数が決められていません。
中間管理職は違います。
労働時間や休日の定めがあります。
体調不良で休んだら有給休暇を使わなければ欠勤となります。
始業時間に会社にいなければなりません。タイムカードで管理されています。
では、その他(主任や係長など)の役職との違いは何があるのでしょうか。
・残業代がない者が中間管理職
・労働組合に入れない者が中間管理職
となります。
なんとなくイメージがついたでしょうか。
中間管理職は管理職ではあるものの上位の管理職とは違い、自由度はありません。
あるのは膨大な業務と責任です。
中間管理職になった経緯
会社が拡大していく中で、管理職が不足していました。
私はある部署の責任者をしており、管理職からは信頼を得ていました。
責任者が集まる会議でもある程度の発言をしたり、提案をしたりもしていました。
目標をもってビジョンに向かって突き進んでいたことが評価されたのかもしれません。
そして、その頃は会社で昇進をすることで年収を増やしていこうと考えていた時期でもありました。
そんな中、私に管理職の打診がきました。
「一つの部署だけではなく部門全体の管理を一緒にしてほしい」と。
当然、受けました。
残業代は出なくなりますが、管理職手当と役職手当がつくため年収は若干増えました。
ただ、ここからが大変になっていきました。
中間管理職の悩み
責任の重さ
責任の重さは一部署の責任者をしていた時の比ではありません。
従業員の管理から職場マネジメント、経営状況の管理を受け持つ部署全てにおいて担うことになります。
私が管理している部署数は7部署になります。
従業員数は約70〜80名です。
休日返上
休みの日でも部署からトラブルや相談があったりすると電話がきます。
また、上司からも電話がきます。
それに対応するのは中間管理職である私です。
出退勤時間
朝は始業時間の1時間前に到着して朝礼の準備をしています。
当然就業時間を過ぎても帰ることはできず、毎日残業です。
でも、中間管理職は残業代は出ません。
上司と部下の板挟み
板挟みになることが一番心的にキツいかもしれません。
例えば異動の話。
上司は中間管理職である私に現場(異動させる部署の責任者と異動することになる本人)に話をするように言ってきます。
当然、現場が納得しなければ「なぜこんな人事をするのか」など文句を言われます。
そして、異動の話がうまくまとまらないと上司からは「なんでできないんだ」と色々言われます。
また、上司命令を現場におろす際にも上司からの言葉をそのまま伝えても現場は反抗するだけですので、うまく立ち回らなければなりません。
業務に追われる
びっくりするぐらい仕事が湧いてきます。
ただ、こなしているだけです。
以前、ご年配の方から「仕事は追われるものではない。追うものだ。」と教えてもらいました。
今は「仕事は追うものではない。追われるものだ。」になってしまっています。
莫大な会議
会議の量にもビックリします。
就業時間内ならまだしも月に何回も時間外での会議があります。
週の労働時間を40時間としたらそのうちの20時間弱は会議をしている感覚です。
中間管理職と子育て(統計)
内閣府の調査によると、仕事と家庭・プライベート(私生活)とのバランスはこのようになっています。
特集 就労等に関する若者の意識|平成30年版子供・若者白書(概要版)内閣府
男性も女性も仕事よりも家庭・プライベート(私生活)を優先する人が増えていることがわかります。
また、厚生労働省の平成30年度版 労働経済の分析<要約版>ー働き方の多様化に応じた人材育成の在り方についてー労働経済の分析(骨子)には、役職に就いていない社員等の管理職への昇進希望と管理職を希望しない理由がまとめられています。
管理職に昇進したいと思わない人は61.1%という数字には衝撃を受けました。
理由は、
・責任の重さ
・業務量の増加による長時間労働
・現在の職務内容で働きたい
・部下を管理指導できない
・賃金が上がっても職責に見合わない
ことが挙がっています。
厚生労働省としても、管理職に昇進したくないと考えている社員が相当程度おり、感触の業務負担の見直し、能力開発、処遇改善に積極的に取り組んでいくことが重要とまとめています。
私も管理職を経験してきて、仕事と家庭とのバランスには苦労しています。
「中間管理職の悩み」で、
1.責任の重さ
2.休日返上
3.出退勤時間
4.上司と部下の板挟み
5.業務に追われる
6.莫大な会議
を挙げていました。
厚生労働省の調査結果と重なる部分もありましたが、やはり「責任」や「長時間労働」については特に子育て世代は苦しいものがあります。
そして、私も仕事よりも家庭・プライベート(私生活)を優先したいです。
仕事に責任を持っていないわけではなく、妻も働いているため分担しなければ到底子育てができないためです。
また、子どもに我慢は極力させたくありません。
子どもがお願いをしてきても、
「ちょっと待ってね」
「今日は仕事が遅くてまた今度ね」
「テレビでも見ておいて」
など、子どもとの時間を犠牲にするしかありません。
ただ、家庭・プライベート(私生活)よりも仕事を優先するという人もいるため、どちらが正しくてとかどちらの意見が優れているということにはなりません。
今の自分の生活環境や今後の人生をどのように過ごしていきたいかで選択は変わってきます。
最後に決めるのは自分の意思です。
まとめ
中間管理職はかなりハードな役職です。
厚生労働省の調査でも管理職に昇進したいと思わない人は61.1%と半数以上になっています。
また、仕事よりも家庭・プライベート(私生活)を優先したい人は63.7%になっています。
私の経験や現状の思いとしても調査結果とほぼ同じに感じます。
ただ、管理職に昇進したい人や家庭・プライベート(私生活)よりも仕事を優先したい人もいることは事実です。
今の自分は何を優先すべきなのか、今後どのように生活していきたいか、仕事と家庭とのバランスはどうあるべきかをしっかりと考えて、選択をしていく必要があります。
今回の記事で後悔のない選択ができるお手伝いができたなら幸いです。
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